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( 焔 (ほむら) たちとの闘いを終えて、ほっと一息といった風情での野宿
の場面。眠れないらしい悟浄が、煙草を吸おうとライターをカチカチ鳴らす
が火が点かない。音に目覚めた八戒が静かに話し掛ける。)

八戒 「 寝付けませんか?」
悟浄 「 まぁなぁ、星が明る過ぎてよ。」
八戒 「 そうですねえ、ボクもさっき生まれて初めて、
     流れ星見ちゃいました。」
悟浄 「 願い事なんざすんなよ、寒いから。」
八戒 「 家内安全、無病息災 ・・・ ですかね。やっぱ。」
悟浄 「 どこのジジイだ、てめぇは。」
悟空 「 ああ ・・・ 腹減った~。」
悟浄 「 まぁこの猿なんざ、決まって食いモンの名前を
     連呼するんだろうなぁ。
     気持ち良さそうに寝惚けやがって、むっかつくぅ。」
八戒 「 駄目ですよ、起こしちゃぁ。」
悟浄 「 起きやしねえよ。」
八戒 「 でも正直、願い事が即座に思いつくのって羨ましいですね。
     ボク、何も浮かんで来ませんでしたモン。」
悟浄 「 そりゃ、あれだ。」

( 元々目覚めていて会話を聞いていたらしい三蔵が、悟浄がどう答える
か、とばかりに目を開き注目する。)

悟浄 「 願い事なんざ必要ねぇからだろ。」

( 悟浄の答えに安堵したように、再び目を閉じる三蔵。
逆に悟浄の言葉に感ずる所でもあったのか、八戒の瞳は大きく開かれる。
『 行き交う人は皆、重い荷物背負って ・・・♪』 というエンディング・テーマ
が流れ始め、八戒の横顔から、星空に焦点が移される。
流れ星がまた一つ流れてゆく。殆ど溜息を吐 (つ) くような八戒の声。)

八戒 「 ・・・・・。――― 成る程 ・・・。」


     - 幻想魔伝 最遊記
         第50話 『 Alone 西へ 』 -


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前世・現世共に、他の誰よりも血塗られた道程を歩んで来た八戒ですが、
この人は元々、己が手を血に染めてまで成功を得る事を目論んだり望ん
だりするタイプではありませんでした。
子供時代に寂しい思いをしていた所為か、取敢えず独りぼっちでは居たく
ないと強く望んでいましたが、贅沢などは二の次三の次であったようです。
ですから、花喃と暮らそうと決心した時の生活設計も、非常に慎ましいもの
でした。

悟能 「 花喃、君を愛してる。
     仕事を見付けたよ。給料は余り良い方じゃないけど、
     二人で食べてゆくには充分だと思う。
     だから ・・・ 一緒に暮らそう。」
花喃 「 悟能 ・・・。私たち、もう独りじゃないんだね。」

( 第11話 『 Tragic Revenge 笑う死神 』 )

という、会話からも凡庸な仕合わせを求めていた様子が伝わってきます。

そんな暮らしを好んだ男が、過酷な運命に翻弄されて、それまで築いた全
てを失い、大量虐殺にまで手を染め、身体にも消えない傷を残し、妖怪に
転生し、挙句の果てに自ら身体の一部をかなぐり捨てる ・・・ そういった
血生臭く、悪夢のような過去を持つ羽目に陥ります。
その逸話が全てに尾を引き、影響を与えていたシリーズ序盤では、特に
八戒は他者には極めて優しいものの、自分に対しては陰惨なまでに邪険
で破滅願望が強く、そのどちらでも無い時には少々大人し過ぎる、か細い
人物として描かれていたように思います。

そして ・・・
幾つかの立ち直りを匂わせるエピソードを経て、多少前向きになり始めて
はいたものの、まだまだ線が細く儚げであった八戒が寝そびれた悟浄と、
「 願い事 」 について交わす会話がこの場面です。

八戒と過去を一部共有し、それ以前の惨状を告白されてもいる悟浄です
が、悟浄が同情しようとどうしようと過去を消してやれない以上、出来るのは
今生きてそこにいる友人を肯定し、彼が生きていることを共に喜んでやる
ことくらいではないでしょうか。
実際、折に触れ、悟浄は八戒にそういった意図を感じさせる言葉を与え
続けます。
要らぬ女遊びには雄弁になるが、肝心なことには慎重になり過ぎるのか、
常に言葉足らずで無愛想になってしまうこの人が、素っ気無く掛けてやる
僅かな慰めは、それでも毎回秀逸です。

まだまだ過去の呪縛から逃れ切っておらず、立場も不安定な八戒にとって
「 願い事なんざ必要ねぇからだろ。」 な訳は、最初から有り得ません。
それでも、悟浄がまるで当然のことのようにそう言い、言われた八戒の方
も成る程 ・・・ と納得してしまうのは、少なくとも孤独に悩まされ続けて来た
八戒が、現在友人に囲まれるようにして暮らしていて、最大の悲願だけは
達成出来ていたからではないでしょうか?
そして恐らくは悟浄が、友人さえ居れば他の事も何とかなる、と思っている
のか、更には、背負っている荷物が重過ぎるのなら、半分背負い込んで
やろうという意向をも持っているのかも知れない、と想像してしまいます。
ま、この辺りの推測は、悟浄/八戒コンビの此処以外の場面を思い浮かべ
て考えればそういうことかな、程度なのですが。

何れにせよ、悟浄の素っ気無くも暖か味の有る台詞と、寝た振りをしながら
見守る三蔵の、更に控えめながらも確かに存在する支援が感じられて、
見ていて、嬉しくなってしまうようなエピソードです。
ここまで何だか悟空にだけ触れずに来ましたが、多分、全くの無防備で
眠っている悟空にも、平穏のシンボルのような意味合いは有る気もします
よね。^^

この流れ星のエピソードは、アニメの最終話、原作の砂漠編の後に当り、
( TVアニメでは、カミサマ編が Reload に入れられる為、実質的に同じ
位置です。) どちらも、一段落ついてほっと一息吐いている時の三蔵一行
の日常の一コマということになります。
また、TVアニメでは、初回シリーズの最後であるため、続編で大きく性格
の変わってしまう三蔵と八戒については、それぞれ思い遣りの有る三蔵と、
ひ弱で大人しい八戒の見納めということになってしまいました。
原作でも、一新したという訳でない同じ 「 最遊記 」 でありながら、やはり、
「 カミサマ編 」 以降、この2人のキャラは同様の変化を起こします。

八戒の場合、「 あの 」 面子の中に居る訳ですから、その後も多少は大人
しい人に見えるし、取敢えず一行の中の唯一の常識人という位置には留ま
っているようですが、優しい三蔵などというものは、以降有り得なかった気
がします。
第一、そもそもこのシチュエーションに、後の三蔵を持って来る所を想像
しただけでも、「 テメエが弱いんだろうよ!下らない話、してんじゃねえっ!」
などという台詞が頭に浮かんで来そうです。
ま、その後の三蔵様は、強さだけに拘泥し、時に弱さを理由に他者を切り
捨てるような真似までする人物に変化してしまったのだ、とか、あれはもう
別人だろう、と考え、諦めるより他ありません。
ですから、この時の三蔵の行動が、わたしの最後のお気に入りで、その後
は、三蔵様はちょっと ・・・ という風になってしまいました。

つまり、このシーンはレギュラーの4人がわたしが大好きな4人であった頃
の一番最後の見せ場であったということになります。
そして、最遊記の中で最も好きな場面の一つでもあったという訳です。

落ち着いており、一行のまとめ役でありながら、相変わらず自分に対して
気弱な台詞を吐く八戒。
まるでそれを自分の役目とでも心得ているかのように、慰めと呼ぶには
少々突き放し気味ではあるものの、何時に変わらぬ思い遣りの有る言葉
を発する悟浄。
目覚めていながら口を挟まず、2人の成り行きを窺い、納得出来る慰め方
であったことに安堵して、再び目を閉じる三蔵。
そんな仲間と一緒に居ると思ってか、安心して眠り続ける悟空。
・・・ こういう4人の取り合わせが、心から好きでしたね。
長く続けているうちに、娯楽性でも追及したのか、どんどん違う方向に流れ
て行ってしまったのが非常に残念です。


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ところで、八戒の口癖と言えば、「 やれやれ ・・・ ですね!」 と、「 平和です
ね。」 が代表的なのですが、「 平和ですね。」 の方は常に通常の感覚では
到底平和とは呼びようの無い状況の中で言われるため、皮肉と受け取ら
れることも間々あるようです。
ただ、この人に限って言えば、先に述べたような重過ぎる荷物を背負って
いる彼の目には、日常の些細な諍いなど、大過無く凡庸に過ぎていること
の象徴としか映っていないのかも知れないと思える部分もあって、あながち
皮肉で言っているだけでも無さそうです。
特に、この流れ星のシーンの直ぐ後に、エンディングと共に繰り広げられた
この遣り取りでは、「 平和ですね 」 が本当に平和を喜んでいるように受け
取れます。

( 悟空・悟浄がスルメの取り合いで喧嘩。猿!エロ河童!と、何時もの
応戦が始まる。)

三蔵 「 煩い ・・・。
     煩せぇつってんだろうがっ!そんなに死にてぇかっ!」
悟浄 「 お、お、おい、待て!三蔵!」
八戒 「 ははは、平和ですねぇ ・・・。」
三蔵 「 好い加減にしろっ!!」

( バギューンと拳銃の発射音。
『 今ならきっと歩いてゆける、何処までも ・・・♪』 とエンディング曲が
終わる。)


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ま、曲の歌詞とも呼応している様子ですので、ここでは八戒が、スルメの
取り合いで揉めていられる平和な日常を心から楽しんでいるということに
しておきましょう。
どのみち、エンディング曲のタイトルも、その回のタイトルも同じ Alone です。
そこから考えても、この台詞はきっと、また 「 歩いてゆける 」 ようになった
( 立ち直った?) 八戒の感想ということなのでしょう。

* Alone の歌詞全部を見たい方は、こちらに置いています。
  http://akira1.blog.shinobi.jp/Entry/467/


因みに、英語版の吹き替えでは、悟浄の 「 そりゃ、あれだ。」 の部分が、
「 お前も分かっているように 」。( ま、you know は慣用句的に使われるので
要するに、「 ほら、」 くらいの意味合いなんですが。)
「 願い事なんざ必要ねぇからだろ。」 が、「 お前は既にお前の望むものを
手に入れちまったからだろ。」 であり、
八戒の 「 成る程。」 は、「 悟浄、貴方が正しいのでしょう。」 でした。
分かりやすっ!!
 
 
 
 
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( このブログ以外の場所に置いており、下欄の 「 最新記事 」 に載らない内容です )

「生存者」 ~ 蛙灰皿秘話 ~
 2008/11/11

「憐情」
 2008/10/16

「行くな!」君去りし後裏返し編
 2008/09/21

「風車」
 2008/09/04

「贈物」
 2008/08/27


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