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レトリック ( rhetoric ) という言葉を御存知でしょうか?
日本語にすると、レトリック というカナ書きそのまま、もしくは、修辞学・
美辞学となります。
時代順に、美辞学 → 修辞学 → レトリックと呼ばれることを好まれて来た
という経緯はありますが、修辞学が、広義に 「 読者の感動に訴えて説得
の効果をあげるために言葉や文章の表現方法を研究するもの 」 を言う
とした場合、レトリックは 「 実質を伴わない表現上だけの言葉。表現の
巧みな言葉。」 ( 以上、三省堂 大辞林による ) という、もう少し狭義の
意味合いで使われることが多く、修辞学の一部とも言えるでしょう。
そして、「 実質を伴わない表現上だけの言葉 」 というなら、レトリックの
技法の一つである撞着語法は、最もレトリックらしいレトリックだと思い
ます。
撞着とは、突き当たること・ぶつかることで、矛盾と言い換えれば、より
平易な言葉になるでしょうか?
実際、矛盾の入る位置に撞着を入れ替えても、言葉はそのままの意味
で成り立つ事が多いのです。
例えば、自己矛盾 → 自己撞着
矛盾しているじゃありませんか → 撞着しているじゃありませんか
と、言い換えても意味が変わりません。*
では、どうやって矛盾で読者の感動に訴えて説得の効果をあげるのか?
・・・ ですが、まぁ、エッシャーなどの 「 騙し絵 」 のようなものだと思って
下さい。
エッシャーの代表作の幾つかは、遠近法を逆手にとって有り得ない世界
を具現させています。
実際の視界になら必ず働く遠近法を、それを無視出来る絵の中に持ち
込むことで、人々の前に見たことの無い世界を披露している訳ですね。

Maurits Cornelis Escher ”Waterfall”
撞着語法を簡単に説明すると、それの文章版のようなものです。
物理則に従えば有り得ない事象も、言葉の上でなら存在可能という点を
利用して、読者にこれまでに無かった表現を提示します。
短く例を挙げるなら、
『 耳を聾 (ろう) せんばかりの沈黙 』 とか、
『 大都会という名の孤島 』 てな感じ。
実際には起こり得ないのですが、読むとそれなりに、非常に静まり返って
いたのだろうとか、賑わっていながら殺伐とした都会の風景なのだろう
とか、感ずることが出来ます。
そうそう ・・・ 実は真ん中に、「 という ( 名の ) 」 を入れると、撞着語法
って、いくらでも作れるんですよね。
( もっとも、毎回同じ形式では、いくらでも発表出来るかどうか、には責任
を持てませんが ・・・。)
要するに、「 という ( 名の ) 」 を挟んで、現実では並列できない2つの
事象を並べれば良いということです。
『 愛情という名の憎悪 』 とか、
『 賢者という愚者 』
勿論、単語を入れなければならないというものでもありませんので、文章
を入れても一向に構いません。
『 君を壊したい、地獄に突き落としたい ・・・ それほど君を愛している。』
など、感ずるところはあるでしょうが、現実に持ち込むと相手を怒らせるか、
警察のお世話になることでしょう。
或いは、
『 大都会の人ごみの中に立つと、私を襲ってくるのは痛いほどの静寂 』
と、普通に繋ぐのもOKです。
何となく、撞着語法が見えてきたでしょうか?
まぁ、修辞技法などというものは、書物で文章を読む機会の多かった
一昔前なら、殊更に名を付けて説明してもらわなくとも、読み込んでいる
うちに自然と体得出来たものであったのですが。
今だって勿論それは出来ますし、感が良いというか、文章の雰囲気を
飲み込むことが早い人であれば、少ない読書量でも、何となく無意識に
使えるようにはなるものです。
ただ ・・・
その、無意識にでも使えるようになってしまう理由が大半、「 虚仮脅し 」
なのが、ちょっと気になるところです。
もともと、この手のレトリックには実態が有りませんので、虚仮脅しに
なり易い性質を持つものなのですが、やはり、人が使用しているのを
見ていても、「 虚仮脅し 」、或いは 「 格好付け 」 のために持ち出して
いることが多いと感じます。
故に、わたし自身は然程好きではありませんが、これまで余りレトリック
に触れたことの無い世代には、新鮮にでも感じられるのでしょうか。
ある意味、受けが良いようですね。
『 背徳の美学。堕落という進化。殺意に濡れた愛撫。』
『 それは残酷なほどひたむきな魂のカタチ。』
( 三蔵の絵・悟空の絵に添えてあった散文詩?より )


良く出て来ましたよね、撞着語法!
こういうファンサービスみたいなところ以外にも、漫画の切れ目切れ目に
差し込んである絵に時々書き込まれています。
八戒に宛てた ( のか?) 散文詩だけは、ちょっと趣きの違ったものに
なっており、八戒らしい穏やかで少々間の抜けた洞察に、皮肉の利いた
付け足しをするという手法が使われているようです。
『 サボテンさんは人のココロが判るそうです。』 ( だからこんなに
トゲトゲしてるンでしょうかねぇ?)
ここでは、前半はレトリックでも何でもない、のんびりと一般論を述べて
いる状態。
後半は、「 人の心が判る 」 というほのぼのした特性を一気に覆すかの
ような、「 トゲトゲしている 」 という評価。
この場合、本体と括弧書きの付け足しを対義結合させている訳で、2文
に亘る撞着語法とも受け取れます。
また全体的に、世間で一般的なことと真っ向から反対のことを言うことに
よって、そういった別の考え方もできるよと改めて考え直すことを促すと
いう、逆説法でもあります。
複合効果のようで、分類はし難いのですが、一度掴んだ語調を繰り返し
使い続けられるという点で、作者はこういったレトリック全てがお好きなの
かも知れませんね。
この場合の語法を真似ると、
『 命って大事に使えば一生もつんですよ。』 ( 実は粗末に使っても
一生もつんですけどね!)
などというものが出来上がります。
皆さんは、レトリックがお好きでしょうか ・・・ ?
注 :
いくら何でも定義が独自ではマズイだろうと辞書を引いた分と、最遊記
から抜き出した部分以外は、わたしが適当に並べ立てただけのもので、
参照文献などは、特にありません。
例文も、その場その場で適当に拵えた独自のものです。
* 実は、撞着語法自身をも、矛盾語法と言い換えることが出来るので、
「 矛盾 」 の方が平易な言葉だと思うのなら、最初から矛盾語法って
言えよ!と叱られそうですが、レトリックに関しては、「 撞着語法 」 と
いう呼び名の方が知られているように感じますので、そちらを紹介しま
した。
日本語にすると、レトリック というカナ書きそのまま、もしくは、修辞学・
美辞学となります。
時代順に、美辞学 → 修辞学 → レトリックと呼ばれることを好まれて来た
という経緯はありますが、修辞学が、広義に 「 読者の感動に訴えて説得
の効果をあげるために言葉や文章の表現方法を研究するもの 」 を言う
とした場合、レトリックは 「 実質を伴わない表現上だけの言葉。表現の
巧みな言葉。」 ( 以上、三省堂 大辞林による ) という、もう少し狭義の
意味合いで使われることが多く、修辞学の一部とも言えるでしょう。
そして、「 実質を伴わない表現上だけの言葉 」 というなら、レトリックの
技法の一つである撞着語法は、最もレトリックらしいレトリックだと思い
ます。
撞着とは、突き当たること・ぶつかることで、矛盾と言い換えれば、より
平易な言葉になるでしょうか?
実際、矛盾の入る位置に撞着を入れ替えても、言葉はそのままの意味
で成り立つ事が多いのです。
例えば、自己矛盾 → 自己撞着
矛盾しているじゃありませんか → 撞着しているじゃありませんか
と、言い換えても意味が変わりません。*
では、どうやって矛盾で読者の感動に訴えて説得の効果をあげるのか?
・・・ ですが、まぁ、エッシャーなどの 「 騙し絵 」 のようなものだと思って
下さい。
エッシャーの代表作の幾つかは、遠近法を逆手にとって有り得ない世界
を具現させています。
実際の視界になら必ず働く遠近法を、それを無視出来る絵の中に持ち
込むことで、人々の前に見たことの無い世界を披露している訳ですね。

Maurits Cornelis Escher ”Waterfall”
撞着語法を簡単に説明すると、それの文章版のようなものです。
物理則に従えば有り得ない事象も、言葉の上でなら存在可能という点を
利用して、読者にこれまでに無かった表現を提示します。
短く例を挙げるなら、
『 耳を聾 (ろう) せんばかりの沈黙 』 とか、
『 大都会という名の孤島 』 てな感じ。
実際には起こり得ないのですが、読むとそれなりに、非常に静まり返って
いたのだろうとか、賑わっていながら殺伐とした都会の風景なのだろう
とか、感ずることが出来ます。
そうそう ・・・ 実は真ん中に、「 という ( 名の ) 」 を入れると、撞着語法
って、いくらでも作れるんですよね。
( もっとも、毎回同じ形式では、いくらでも発表出来るかどうか、には責任
を持てませんが ・・・。)
要するに、「 という ( 名の ) 」 を挟んで、現実では並列できない2つの
事象を並べれば良いということです。
『 愛情という名の憎悪 』 とか、
『 賢者という愚者 』
勿論、単語を入れなければならないというものでもありませんので、文章
を入れても一向に構いません。
『 君を壊したい、地獄に突き落としたい ・・・ それほど君を愛している。』
など、感ずるところはあるでしょうが、現実に持ち込むと相手を怒らせるか、
警察のお世話になることでしょう。
或いは、
『 大都会の人ごみの中に立つと、私を襲ってくるのは痛いほどの静寂 』
と、普通に繋ぐのもOKです。
何となく、撞着語法が見えてきたでしょうか?
まぁ、修辞技法などというものは、書物で文章を読む機会の多かった
一昔前なら、殊更に名を付けて説明してもらわなくとも、読み込んでいる
うちに自然と体得出来たものであったのですが。
今だって勿論それは出来ますし、感が良いというか、文章の雰囲気を
飲み込むことが早い人であれば、少ない読書量でも、何となく無意識に
使えるようにはなるものです。
ただ ・・・
その、無意識にでも使えるようになってしまう理由が大半、「 虚仮脅し 」
なのが、ちょっと気になるところです。
もともと、この手のレトリックには実態が有りませんので、虚仮脅しに
なり易い性質を持つものなのですが、やはり、人が使用しているのを
見ていても、「 虚仮脅し 」、或いは 「 格好付け 」 のために持ち出して
いることが多いと感じます。
故に、わたし自身は然程好きではありませんが、これまで余りレトリック
に触れたことの無い世代には、新鮮にでも感じられるのでしょうか。
ある意味、受けが良いようですね。
『 背徳の美学。堕落という進化。殺意に濡れた愛撫。』
『 それは残酷なほどひたむきな魂のカタチ。』
( 三蔵の絵・悟空の絵に添えてあった散文詩?より )


良く出て来ましたよね、撞着語法!
こういうファンサービスみたいなところ以外にも、漫画の切れ目切れ目に
差し込んである絵に時々書き込まれています。
八戒に宛てた ( のか?) 散文詩だけは、ちょっと趣きの違ったものに
なっており、八戒らしい穏やかで少々間の抜けた洞察に、皮肉の利いた
付け足しをするという手法が使われているようです。
『 サボテンさんは人のココロが判るそうです。』 ( だからこんなに
トゲトゲしてるンでしょうかねぇ?)
ここでは、前半はレトリックでも何でもない、のんびりと一般論を述べて
いる状態。
後半は、「 人の心が判る 」 というほのぼのした特性を一気に覆すかの
ような、「 トゲトゲしている 」 という評価。
この場合、本体と括弧書きの付け足しを対義結合させている訳で、2文
に亘る撞着語法とも受け取れます。
また全体的に、世間で一般的なことと真っ向から反対のことを言うことに
よって、そういった別の考え方もできるよと改めて考え直すことを促すと
いう、逆説法でもあります。
複合効果のようで、分類はし難いのですが、一度掴んだ語調を繰り返し
使い続けられるという点で、作者はこういったレトリック全てがお好きなの
かも知れませんね。
この場合の語法を真似ると、
『 命って大事に使えば一生もつんですよ。』 ( 実は粗末に使っても
一生もつんですけどね!)
などというものが出来上がります。
皆さんは、レトリックがお好きでしょうか ・・・ ?
注 :
いくら何でも定義が独自ではマズイだろうと辞書を引いた分と、最遊記
から抜き出した部分以外は、わたしが適当に並べ立てただけのもので、
参照文献などは、特にありません。
例文も、その場その場で適当に拵えた独自のものです。
* 実は、撞着語法自身をも、矛盾語法と言い換えることが出来るので、
「 矛盾 」 の方が平易な言葉だと思うのなら、最初から矛盾語法って
言えよ!と叱られそうですが、レトリックに関しては、「 撞着語法 」 と
いう呼び名の方が知られているように感じますので、そちらを紹介しま
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・「贈物」
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・「生存者」 ~ 蛙灰皿秘話 ~
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